研究課題/領域番号 |
17K14319
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 健太 東京大学, 物性研究所, 助教 (00774001)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スピン軌道相互作用 / スピン分解光電子分光 / レーザー / スピントロニクス / 表面・界面物性 / 超高速 |
研究成果の概要 |
スピントロニクス研究の発展に伴いスピン偏極電子の創出と制御は重要な課題となっている。その中でスピン軌道相互作用は重要な要素であり,これによってスピン偏極した電子状態を有した様々なトポロジカル物質相が実現する。本研究では、ARPES 法を主とした電子状態観測により、スピン相互作用が織りなす新しい物質相や物性制御法の開拓を行った。その結果、弱いトポロジカル絶縁体やワイル磁性体の実証などのトポロジカル物質相の実証やトポロジカル相図の決定法構築を行った。さらに、スピン分解 ARPES を偏光可変レーザーと組み合わせることで、光でスピンを自在に制御する光スピン制御の開拓を行った。
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自由記述の分野 |
スピントロニクス
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は ARPES や スピン分解 ARPES 測定の光源をレーザーや放射光、そして励起光をうまく選択する事でトポロジカル相図の決定、さらには光スピン制御の実証まで行ったものであり、バンド分散の形状やスピン偏極度の大きさを語るだけに留まった従来の測定に比べて一線を画す。スピン分解 ARPES においては、光スピン制御の微視的機構としてスピン干渉の直接観測に成功した。この結果は、物性研究の実験ツールとしてARPES 法の新しい利用価値を示したものである。本研究で解明したスピン干渉効果を利用して、光でスピンを制御するスピントロニクス、「光スピントロニクス」の可能性を提案できたと考えている。
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