本研究では、遷移金属酸化物表面への安定した電子ドープ手法を確立し、角度分解光電子分光(ARPES)から得られる電子状態と電気伝導特性の両観点から、遷移金属酸化物表面における2次元電子状態に働く多体間相互作用の起源を明らかにした。具体的な研究成果は以下の通りである。 (1)アルカリ金属蒸着システムの開発により、遷移金属酸化物表面への電子ドープ量精密制御手法を確立した。(2)アナターゼ型酸化チタン表面に形成される2次元電子状態に働く多体間相互作用の起源を明らかにした。(3)アナターゼ型酸化チタンにおける電子格子相互作用が表面とバルク間で異なることを見出した。
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