研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アクチノイド化合物は、5f電子が遍歴性と局在性の両面的な性質を持ち、強いスピン軌道相互作用を持つことによって、非従来型超伝導のみならず、多極子秩序、非フェルミ液体、トポロジカル絶縁体など、多岐にわたる異常な量子現象をもたらす。アクチノイド元素であるウラン元素を含む超伝導は、これまでに見つかっている超伝導体の中でも最も異常な超伝導・磁気特性を持つといっても過言ではなく、従来の遍歴3d 電子系や局在4f 電子系の物理の枠組みでは捉えられない重要な学術的位置を占めている。特に、30年以上も未解明であったUBe13, (U,Th)Be13の超伝導対称性に関する成果は非常に高い学術的価値がある。
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