量子アニーリングは効率的に最適化問題を解決できる量子計算法として知られている.本研究では最適化問題に制限されることなく,一般のデータ解析に使用することを目指した.1つは熱電材料の性質を示す重要な関数であるスペクトル伝導率が,量子アニーリングを利用して観測可能な電気伝導率とゼーベック係数から推定できることがわかった.もう1つはセンサーネットワークへの応用である.建築物などに設置されたいくつものセンサーから重要な部分を抽出するためには,深層学習を補足的に使用してこの抽出を行うことができる.さらに,量子アニーリングをデータ分析に広く適用するためにエントロピーを基準にする効率的な時間発展が提案できた.
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