研究実績の概要 |
ファイバーバンドル模型のフレームワークを用いて、不均一材料の熱活性クリープ破壊に関し、特に亀裂の発生地点間距離について研究を行った。我々が最近提案した、動的モンテカルロ法による数値計算を用い、温度T、外部応力σ、そして、材料特性の一つとして、壊れたファイバーにかかっていた荷重が他のファイバーに移る際の距離依存性に関わるパラメタα(荷重移動が1/r^αに比例)を様々な値に変えてシミュレーションを行った。 昨年度に引き続き、外部応力の臨界値σc(シミュレーション開始直後に全ファイバーが破断するような外部応力σの最小値)と亀裂発生地点間距離の分布を、パラメタについてより詳細に調べた。昨年度の段階ではα=1.0, 2.0, 3.0の場合についてのみ外部応力の臨界値σcが分かっていたが、さらにα=4.0, 5.0, ∞についても調べ、それぞれσcが0.18, 0.17, 0.15であることが分かった。 また、これまでの研究で、亀裂発生地点間距離の分布のふるまいから、α=2.0はα=∞と似ている、すなわちlocal load sharingの場合の"普遍クラス"に属するらしいという結果が得られていた。一方、熱活性ではない、「通常の」ファイバーバンドル模型においては、α=2.0はα=0と同じglobal load sharingの場合の"普遍クラス"に属すること、そしてαc=2.2を境にどちらの"普遍クラス"になるかが決まるということが分かっている。この違いを理解するため、本年度はα≦2.0についてより詳細なシミュレーションを行っている。残念ながらまだこの結果は今年度中には出なかったが、近いうちに熱活性ファイバーバンドル模型の場合のαcが判明するであろう。
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