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2018 年度 実績報告書

フラストレート格子上ボース粒子系における量子液体相の探索と励起構造の数値解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K14361
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

正木 晶子  国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (00620717)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード量子モンテカルロ法 / 量子スピン系 / ボース粒子系
研究実績の概要

量子モンテカルロ法のソフトウェアを開発し、(1)擬1次元格子中におけるボース粒子系の超流動相転移現象や(2)希薄ボース粒子系におけるエネルギーなどの物理量の普遍的な振る舞いを調べた。さらに、(3)ハードコアボース粒子系と等価である量子ハイゼンベルグ模型における量子液体的な励起状態について、数値解析接続法を組み合わせ、大規模精密計算により、新しい解釈を裏付ける解析結果を得ることができた。具体的には以下である。
(1)擬1次元的形状のナノ多孔体中の液体ヘリウムでは非自明な超流動応答が観測されている。我々は位相スリップを防いだ周期境界条件のもと超流動密度を測定すると、液体ヘリウムが多孔体内表面に吸着して2次元的の場合はコスタリッツ・サウレス転移、多孔体内に充満し3次元的の場合は2次転移を起こすことを示した。
(2)希薄ボース粒子系において、平均場近似や摂動展開を用いて理論的に示された式を定量的に評価し、ハードコアボース粒子系が固有に持つs波散乱長の大きさを見積もった。さらに摂動係数の値を数値的に求め、希薄極限位おいて物理量が模型によらず普遍的な振る舞いを示すことを裏付ける結果をえた。この結果は連続系の量子モンテカルロ法と比較することで、グラファイト状に吸着したヘリウムの量子固体相の計算への応用を期待できる。
(3)確率的最適化法による数値的解析接続手法を大規模精密計算によって得た量子モンテカルロ法の結果に適用し、2次元量子スピン模型の励起ダイナミクスの計算を行った。有機銅酸化物で観測された非自明な量子現象を定量的に再現し、基底状態で長距離秩序が存在する状況下でも、特定の波数ではスピン液体的な素励起が存在しうる計算結果を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] The superfluid transition in quasi one-dimensional hardcore Bosons: Effect of phase slippage2018

    • 著者名/発表者名
      Akiko Masaki-Kato
    • 学会等名
      International Symposium on Quantum Fluids and Solids
    • 国際学会
  • [学会発表] ボース・ハバード模型を用いた 連続空間希薄粒子系の数値解析とs波散乱長の見積もり2018

    • 著者名/発表者名
      正木晶子
    • 学会等名
      日本物理学会第73回年次大会
  • [備考] DSQSS

    • URL

      https://github.com/qmc/dsqss/wiki

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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