研究課題/領域番号 |
17K14365
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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研究機関 | 京都大学 (2018) 分子科学研究所 (2017) |
研究代表者 |
武井 宣幸 京都大学, 理学研究科, 特定准教授 (20531841)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 量子光学 / 原子物理 / 量子エレクトロニクス / コヒーレント制御 |
研究成果の概要 |
私たちが開発した極低温リュードベリ原子集団に対するアト秒精度のコヒーレント制御技術を、数100nmというマクロなサイズに渡って振動運動するリュードベリ電子波束に適用する実験を進めると同時に、対称性の破れとその回復という極めて重要な研究課題に展開した。光双極子トラップ中の冷却ルビジウム原子の電子構造の対称性をレーザーパルスの照射によって破った後、アト秒精度で照射時刻を制御した別のレーザーパルスによって破れた対称性を高いコントラストで回復することに成功した。この対称性の破れとその回復という制御技術は、今後のリュードベリ原子を用いた量子シミュレータ研究に非常に有用であることが判明した。
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自由記述の分野 |
量子光学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子シミュレータは古典計算機では計算することが難しい強相関系の量子多体問題を解明するのに強力なツールであり、基礎学術のみならず新機能性材料の開発への貢献など応用面においても非常に期待されている。私たち独自のシステムは、より強相関な状態を生成し易く、またそれが示す多体ダイナミクスを観測・制御できるため、量子多体問題の深い理解に有用であると期待される。今回実証した電子構造の対称性の破れとその回復技術は、量子シミュレータへの応用のみならず、分子間の化学反応や分子中の電荷移動の制御にも応用可能と考えられる。
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