海水温同化実験により、世界的なモンスーンの挙動が、大西洋を発端とした海盆間相互作用によって密接に結びついていることを見出した。また、過去1000年間の地球軌道要素の微細な変動に伴う太陽入射量の緯度・季節配分の変動が、アジアモンスーンの季節進行のタイミングを左右することを明らかにした。 熱帯太平洋とインド洋の海盆間相互作用を通した大気循環の変動パターンが、細長く発達する水蒸気輸送帯の活動の強弱を通して、日本の豪雨災害リスクを左右することを明らかにした。地球温暖化時には、水蒸気輸送帯の活動に着目することで、日本を襲う極端現象の頻度が増加する可能性を見出した。
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