研究課題
若手研究(B)
過去2000年の気候復元の精度を向上させる手法開発を行なった。これまでの研究では統計的に気候を推定する手法が用いられてきたのに対し、本研究では、気候モデルの予測と古気候観測を動的に融合し気候を推定するオンラインデータ同化手法を提案し、完全モデルを仮定した理想条件下でテストを行なった。その結果、用いる古気候観測の時間解像度に比べて気候が予測可能な範囲が長い場合には、本研究の提案手法を用いることで既往の手法を上回る復元精度を達成できることを示した。
水同位体水文気候学、データ同化、数値天気予報
長期の気候変動を描くことで、気候システムの変動メカニズムに対する理解を深め、深刻な影響が懸念される地球温暖化により良く備えることができると期待できる。一方、測器による観測が入手可能な期間はたかだか150年程度であり、気候システムの全容を捉えるには短すぎる。地学的な手がかりをもとに気候を復元する必要があるが、その手法には大きな不確実性が残されていた。本研究が提案する手法を用いることで、より正確な気候復元の実現が可能になる。