木星の衛星、イオには太陽系で最も活発な火山活動が認められている。この火山性ガスは、イオを脱出・電離して、木星の磁気圏プラズマとなる。日本の「ひさき衛星」やNASAのJUNO探査機など、重要な木星探査ミッションが進行する中、木星の磁気圏に大きな影響があるイオの火山活動を継続観測することが求められていた。これまで、東北大学惑星プラズマ・大気研究センターでは、イオから流出して形成される木星ナトリウム雲を観測することで、イオの火山活動や木星磁気圏へのプラズマ供給を観測して、世界でも最高水準のデータを提供してきた。しかし、装置の経年劣化のため、2016年6月より観測を停止していた。本研究計画では、本装置の修理・改善を行い、木星ナトリウム雲の観測継続、及びデータの質の向上を目指す。このうち、2017年9月の本予算停止までに、故障中であった高感度冷却CCDカメラの交換を行うことができた。これにより、観測を再開することができた。よって、今後ともイオを火山活動の監視データを提供できる態勢を確立できた。
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