研究課題
地球に影響を及ぼす太陽活動の一つとして太陽風が挙げられる。太陽風速度を導出するには、3次元コロナ磁場を計算する必要があるが、そのために太陽表面の磁場輸送を計算することで太陽全体の磁場を求め、開いた磁力線の追跡を行いコロナホールの足元を特定する必要がある。本研究では2010年から現在までの1つの太陽周期に着目し、表面磁束輸送モデルと磁力線検出モデルを連携させることで開いた磁力線を検出し、コロナホールの位置と太陽風を計算し、それらの時間変化を考察した。具体的には表面磁束輸送モデルによって求められた太陽全球の計算磁場から、PFSS(Potential Field Source Surface)外挿法を用いて太陽表面から磁力線の追跡を行った。観測されたコロナホールの位置は観測衛星SDOに搭載されているAIAと呼ばれる望遠鏡から確認することができるが、計算によって得られた開いた磁力線領域は、コロナホールを捉えていることがわかった。その結果、この手法で十分に太陽風の吹き出し口であるコロナホールの時間発展を終えることがわかった。さらに、10年程度先の太陽表面磁場の計算を行い、その太陽磁場の環境で太陽風がどのようなものになるか確率論的に議論することを試みた。現在の太陽全球磁場データ を初期値に、今後10年の黒点を確率的に与え大量の太陽表面磁束輸送計算をおこない太陽風モデルを適応することで、太陽地球環境の長期変動を考察した。得られた計算結果の妥当性に関して考察する必要があるものの、一定の結果を得られた。
すべて 2020 2019
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