研究実績の概要 |
本研究は、石英の測定限界を超えた光ルミネッセンス(OSL)年代測定の測定限界の検証と,OSL年代精度の向上を目的としている。日本海堆積物のシルトサイズの微粒子(ポリミネラル微粒子)を対象に,石英粒子より古く年代決定が可能なカリ長石のOSL年代測定(pIRIR230法)を実施し, 最終氷期以前の正確な絶対年代を連続的に与えることを目指した。 pIRIR230法で得られた両コアのポリミネラル微粒子の等価線量は、同層準で測定した石英の値とほぼ同等であり、約1000Gyで飽和した。フェーディング効果(放射線損傷の蓄積量が時間と共に減少する)の補正値は約1.60%/decadeであり、補正後のOSL年代をテフラや年代モデルと対比した結果、両コアとも約30-40万年で測定限界に達した。
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