研究課題/領域番号 |
17K14409
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 峰南 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 上席研究員 (20773394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 隕石衝突 / 環境変動 / 後期三畳紀 / 白金族元素 / オスミウム同位体 |
研究成果の概要 |
本研究では,イタリアに分布する遠洋性石灰岩を対象にした地球化学分析により,隕石衝突クレーターが複数報告されている後期三畳紀の衝突由来堆積物の探索および古海洋環境変動について検討を行った.研究の結果,ノーリアン後期に白金族元素の異常濃集層が検出され,イジェクタ堆積物の可能性が示された.またオスミウム同位体比分析により,同位体比の負の変動も確認された.さらに,主要・微量元素組成分析の結果からは,イジェクタ堆積物の上位層準で酸化還元に鋭敏な元素の濃集が明らかとなり,後期三畳紀の隕石衝突イベントが当時の海洋環境に与えた影響について議論を進めている.
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自由記述の分野 |
地球化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,後期三畳紀に起こった隕石衝突イベントについて,これまでの研究で衝突の影響が検討されてきた遠洋域に加え,大陸縁辺の陸棚環境においても隕石衝突にともなう環境変動を解析することが可能となった.従来.隕石衝突による全球規模での環境変動の解析は白亜紀/古第三紀境界を対象に進められてきたが,本研究の成果を比較することで,衝突した隕石の種類・サイズや衝突地点などによって,どの程度の環境変動を引き起こしたかについての議論が可能となる.隕石衝突が引き起こす環境変動は,流体圏,固体圏,生命圏に関わる重要な問題であり,今後さらに学際領域の広い研究分野へと発展させることができると考えられる.
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