研究課題/領域番号 |
17K14416
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋澤 紀克 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (40750013)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マントル / カンラン岩 / 白金族元素組成 / オスミウム同位体組成 / 硫化鉱物 |
研究実績の概要 |
マントル由来のカンラン岩捕獲岩(タヒチ島,モーレア島,ルルツ島)全42個を用いて,全岩白金族元素(PGE)組成(ICP-MS使用)とオスミウム同位体組成(N-TIMS使用)の分析を行った.これらの分析結果は,マントルの不均質性を確認できる強力なツールになると共に,岩石の組織観察を通して組織と化学組成を対応させつつマントル中での白金族元素の動きを時間軸を考慮しながら明らかにできる可能性を秘める.現在それらの分析結果を用いて,時間軸を考慮したマントル中でのPGEの動きを吟味している.組織に対応して(つまり,経験してきた歴史の違いに対応して),カンラン岩化学組成のバリエーションが見えているので,マントル中でのPGEの動きを制約できるような解釈ができると期待される.その解釈に基ずいた論文を,現在作成している. 一方で,マントル中でのPGEの動きは未だよくわかっていない現状を考慮し,汎地球的にマントル中でのPGEの動きを捉えるための準備も行った.PGE様々な地域のマントル捕獲岩に対しても同様な研究手法(硫化鉱物やその他の主要な鉱物の化学組成分析,全岩PGE,オスミウム同位体組成分析)を適応することが上記の目標達成に有効な手段と言えるので,様々な地域の異なったマントルプロセスを保存するカンラン岩捕獲岩の採取を行った.現在のところ,サンプル採取は完了し,その薄片作成と岩石粉末の作成を行い,分析の準備を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度行った全岩PGE組成とオスミウム同位体組成の分析により,前年度までに実施した小さな硫化鉱物の分析結果の解釈をさらに大きなスケールに発展させることができると期待できる.これは,当初の研究予定におおむね近い研究実施状況である.
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今後の研究の推進方策 |
タヒチ島,モーレア島,ルルツ島のカンラン岩捕獲岩を用いた分析結果の解釈を進めるとともに,新たに採取したサンプルの分析を進める.そして,できる限り汎地球的にマントル中でのPGEの動きを捉えるようにする.
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