本研究では,初期マントル中の白金族元素(PGE)含有量を正確に推定することを目指した.その達成のためには二次的なマグマやフルイドによる影響を取り除くことが必要不可欠であったため,それを重点的に実施した.具体的には,マントル由来物質であるかんらん岩を用いてPGE含有量を求め,ナノからマイクロメートルスケールで詳細な解析を実施した.その結果,炭素質マグマがPGE含有量を二次的に改変することを明確に示すことができた.また,その改変によりPGEがどのような鉱物に分配されていくのか明らかにした.これにより,炭素質マグマの影響のないかんらん岩を初期マントルのPGE推定に用いる必要があることを明確に示した.
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