地球中心核の化学組成は、地球の材料物質、マグマオーシャンから金属核が分離した核形成時の状況、及びマントル対流・コアダイナモといった現在のダイナミクスを理解するために欠かせない。地球中心核の大部分を占める液体外核は鉄(Fe)を主成分とし、10%程度の軽元素が含まれていることが知られているが、この軽元素種類、量比についてはは未解明のままである。当核研究課題では、コア軽元素の候補であるリンと窒素に着目し、これら元素と鉄の液体合金の音速を高圧下で測定し、地球中心核の唯一の観測情報である地震波速度と比較することで、リン及び窒素の含有量に制約を与えた。
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