機能性有機材料への応用が期待できるイプチセン類は、トリプチセン(3つの芳香環が縮環したプロペラ型分子)を構成単位とする芳香族分子であるが、従来の合成法では多くの制限があり、より効率的な合成法が求められている。そこで、本研究では報告者らが最近見出したイノラート・アライン3連続環化付加反応を用いて、イプチセン類の合成を検討した。その結果、トリプチセン由来のアラインを利用することで、ヘプチプチセンおよびノニプチセンのワンポット合成に成功した。さらに、アントロンを利用した新規トリプチセン合成法を見出すことにも成功した。
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