研究課題
若手研究(B)
本研究では、銅キュバン錯体と四面型配位子を種々に工夫することにより、新たな活性ナノ空間の創製に成功した。とくに臭化銅クラスターから作り上げた細孔性ネットワーク錯体は加熱により強発光性のネットワーク錯体に相転移するなど、速度論的生成物にしかない特有の性質が明らかになった。また、柔軟な配位子を用いることにより、ヨウ素の化学吸着にも成功し、放射性ヨウ素の吸着材料として使用できる可能性も明らかにした。
錯体化学、結晶化学
本研究により相互作用性をもつ細孔性ネットワーク錯体の合成法として速度論的生成が有効であることを明らかにした。これは従来の方法では得られない活性ナノ空間が得られることを示しており、今後、触媒などに利用できる空間の設計に有効である。とくに、小分子の活性化による触媒機能の発現に効果があると考えられる。また、このような活性ナノ空間はヨウ素など、特定の分子を吸着できるため、吸着材やセンサとして広く活用できるようになる。そのための基礎的な知見を提供することができた。