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2018 年度 実績報告書

反応活性なゲルミレンを反応場とする分子変換反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14464
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

猪股 航也  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 産総研特別研究員 (40756813)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードゲルミレン / ジゲルメン / 結合活性化 / タングステン
研究実績の概要

カチオン性メタロゲルミレンとアニリンやアルコールとの反応を検討したところ、複雑な混合物になることが分かった。一方で、カチオン性メタロゲルミレンが二量化した、Ge=Ge二重結合を持つ、ジカチオン性ジメタロジゲルメンを用いてアニリンやイソプロピルアルコールとを室温で反応させたところ、カチオン性のジメタロゲルマニウム化合物が生成することが分かった。比較のために、ジカチオン性ジメタロジゲルメンとトリエチルシランやトリエチルゲルマンとを反応させたところ、カチオン性メタロシリルゲルマニウムおよびカチオン性メタロゲルミルゲルマニウムが生成することが明らかになった。これらは同じE-H(E = N, O, Si, Ge)結合活性化を伴っているが、その反応様式が異なる。これは反応基質の孤立電子対の有無によって反応経路が決定することが分かった。基質に孤立電子対がある場合にはジゲルメンの片方のゲルマニウムにNやOの求核攻撃を行うことから始まり、金属フラグメントがもう一方のゲルマニウムに転位することによってジメタロゲルマニウムカチオンが生成すると考えている。孤立電子対を持たない基質の場合は、ジゲルメンが反応系中で解離し、カチオン性メタロゲルミレンとなり、ゲルミレンがE-H結合を活性化することで得られると考えている。ジゲルメンの置換基の転位反応は基本的には加熱条件下で進行するものであり、このように室温で転位反応を行うものは珍しい。この反応を用いることで、新規の低原子価ゲルマニウム化学種の発や新規ゲルマニウムカチオン種の合成が期待できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of hydrosilanes via Lewis-base-catalysed reduction of alkoxy silanes with NaBH42019

    • 著者名/発表者名
      Aoyagi Keiya、Ohmori Yu、Inomata Koya、Matsumoto Kazuhiro、Shimada Shigeru、Sato Kazuhiko、Nakajima Yumiko
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1039/C9CC01961H

    • 査読あり
  • [学会発表] 2座ホスフィン配位子を有するロジウム錯体を触媒とする塩化アリルの高効率ヒドロシリル化反応2019

    • 著者名/発表者名
      猪股航也、佐藤一彦、中島裕美子
    • 学会等名
      第99春季年会
  • [学会発表] N-PおよびN-O二座配位子を持つクロロゲルミレンの合成,構造および性質2018

    • 著者名/発表者名
      猪股航也、矢吹峻作、持田邦夫
    • 学会等名
      第98春季年会
  • [学会発表] N-S二座配位子によって安定化されたクロロゲルミレンの合成および構造2018

    • 著者名/発表者名
      猪股航也、矢吹峻作、持田邦夫
    • 学会等名
      第65回有機金属討論会
  • [産業財産権] 二座ホスフィン配位子を有するロジウム錯体及びその製造方法、並びに二座ホスフィン配位子を有するロジウム錯体を用いるハロゲン化アリルのヒドロシリル化2019

    • 発明者名
      猪股航也、永縄友規、佐藤一彦、中島裕美子
    • 権利者名
      猪股航也、永縄友規、佐藤一彦、中島裕美子
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2019-009700

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公開日: 2019-12-27  

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