• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

無機ナノシートで制御する層状微細構造を利用した新しい光機能材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14473
研究機関宮崎大学

研究代表者

鍋谷 悠  宮崎大学, 工学部, 准教授 (50457826)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード層状化合物 / アゾベンゼン / フォトクロミズム / ニオブ酸 / 人工筋肉
研究実績の概要

平成30年度は、ナノシートをチタンニオブ酸などへ展開しつつ、ニオブ酸および粘土鉱物とアゾベンゼンの複合体作製し、分子吸着特性に関する成果を得た。新たなナノシートの複合体としてチタンニオブ酸とアゾベンゼンの複合化に取り組み、イオン交換法を応用することでチタンニオブ酸複合体作製に成功した。また前年度作製したチタン酸、粘土複合体との比較から、分子はナノシートの表面電荷の影響を強く受け、特異な微細構造を形成することを見出し、ナノシートの表面構造を制御することで複合体の微細構造を精密に制御できることを明らかにした。一方、ニオブ酸および粘土複合体について、ガス吸着測定により分子吸着場となる複合体内の空隙構造を解析したところ、ニオブ酸結晶には空隙はほとんど存在しないが、アゾベンゼンと複合化することにより、複合体内に空隙が形成されることを見出した。ニオブ酸複合体は、光反応により可逆な3次元的な形態変化を示すが、光異性化に伴う構造変化がこの空隙に蓄積され、その蓄積された構造変化を一度に解放することで分子スケールを超える形態変化が誘起されたと考えられる。また粘土複合体においては、同様に空隙が形成されると共に、光反応によってわずかではあるが空隙構造を制御できることを見出した。
また、研究期間全体を通して、ナノシートの表面構造に注目し、ニオブ酸に加えて、粘土鉱物、チタン酸、チタンニオブ酸ナノシートの複合体を作製して新たなアゾベンゼン/ナノシート複合体系の構築と機能発現に取り組んだ。中でも、複合体の微細構造化により空隙構造が形成され、それを光制御できることを見出したことから、光吸脱着可能な分子吸着材料への応用が十分に期待できる。また、ナノシート表面を分子集合体の機能発現の場として利用するという従来の分子機能材料開発とは異なる観点から光機能材料が作製でき、新機能発現手法として、その意義は大きい。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 新規多フッ素化アルキルアゾベンゼン/ニオブ酸複合体の光層状空間制御2019

    • 著者名/発表者名
      鍋谷 悠、田中 文平、北川 広大、白上 努
    • 学会等名
      日本化学会 第99回春季年会
  • [学会発表] 粘土ナノシート上に吸着したカチオン性Ge-ポルフィリン錯体の蛍光特性2018

    • 著者名/発表者名
      川崎 遼太、鍋谷 悠、白上 努
    • 学会等名
      第30回配位化合物の光化学討論会
  • [学会発表] 光応答メカニカル機能を示す層状複合体の微細構造の解析2018

    • 著者名/発表者名
      松田 健太郎、松本 仁、白上 努、鍋谷 悠
    • 学会等名
      2018年光化学討論会
  • [学会発表] 分子系層状包接環境を利用した光機能発現2018

    • 著者名/発表者名
      鍋谷 悠
    • 学会等名
      第8回九州若手セラミックフォーラム&第48回窯業基礎九州懇話会
    • 招待講演
  • [学会発表] ナノ構造制御されたアゾベンゼン/ニオブ酸複合体の光反応性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      小金丸 和暉、松本 仁、白上 努、鍋谷 悠
    • 学会等名
      第8回 CSJ化学フェスタ2018
  • [学会発表] 多フッ素化界面活性剤を用いたチタン酸ナノスク ロール合成2018

    • 著者名/発表者名
      柴崎 映見、松本 仁、白上 努、鍋谷 悠
    • 学会等名
      第8回 CSJ化学フェスタ2018
  • [学会発表] 多フッ素化アルキルアゾベンゼン/チタン酸層状複合体の作製と光応答2018

    • 著者名/発表者名
      田辺 春樹、松本 仁、白上 努、鍋谷 悠
    • 学会等名
      第8回 CSJ化学フェスタ2018
  • [学会発表] 層状複合体の分子吸着特性とナノ構造解析2018

    • 著者名/発表者名
      松田 健太郎、松本 仁、白上 努、鍋谷 悠
    • 学会等名
      第8回 CSJ化学フェスタ2018
  • [学会発表] Photoreactivity of layered hybrids prepared under pH-controlled condition2018

    • 著者名/発表者名
      Yu Nabetani, Kazuki Koganemaru, Tsutomu Shiragami, Syed Zahid Hassan, Hiroshi Tachibana, Haruo Inoue
    • 学会等名
      10th Asian Photochemistry Conference
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi