研究課題/領域番号 |
17K14490
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山下 建 (アルブレヒト建) 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (50599561)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | デンドリマー / 超分子ポリマー / フェニルアゾメチン / ナノ粒子 / トリフェニルメチリウム |
研究実績の概要 |
本年度は新規な直線型架橋分子としてこれまでよりも長いフェニレンエチニレン部位を有する架橋分子を合成した。具体的にはこれまでに開発した合成法を応用し、先にフェニレンエチニレン鎖を伸ばしてトリフェニルメタノール部位を導入した後にベンゼン環のパラ位に2つのフェニレンエチニレン鎖を導入することで前駆体を合成した。前駆体であるトリフェニルメタノール部位を塩素化した後にテトラフルオロホウ酸銀と反応させることで架橋分子であるジカチオン体を得た。これを2置換型第4世代フェニルアゾメチンデンドリマーと混合してから、塩化スズとのタイトレーションを行った。デンドリマーの2層目、3層目、4層目への塩化スズの集積に対応する等吸収点のシフトが観測されたことから新規な架橋分子もデンドリマーの最内層に配位していることが明らかとなった。 次年度以降の超分子ポリマーをテンプレートとしたナノ粒子配列の達成に向けてデンドリマーを使用した酸化スズナノ粒子の合成と触媒活性の検討も実施した。具体的にはフェニルアゾメチンデンドリマーに塩化スズを集積した後にメソポーラスシリカ内に担持した。その後に一度還元操作を行ってから大気下での焼成によって酸化スズナノ粒子を得た。デンドリマーに集積した酸化スズの当量を制御することでナノ粒子のサイズが制御できた。XPS測定を行った所バルクでは熱力学的に安定な4価の酸化スズ以外に2価の酸化スズが存在していることが確かめられた。粒子サイズが減少するに従って2価サイトの割合は増加した。一酸化炭素の酸化反応活性を測定した所2価サイトが多いほど活性が高いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、分岐型架橋分子の合成は行えなかったが新規架橋分子の合成とデンドリマーへの集積の確認には成功しており、次年度に向けたナノ粒子合成の検討も行ったことから概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新規に合成した架橋分子を利用した超分子構造体の形態観察を行うとともに基板上でのナノ粒子合成とその配列制御へと展開する。
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