天然物・合成物ともに,有用な有機系の多価イオン物質は広く存在し,その簡易・高感度分析法が必要とされている。研究代表者は,これまでε-poly-L-lysineがある種の酵素反応速度を劇的に増大させる知見を見出し,これがε-poly-L-lysineの多価カチオン性に起因することを突き止めた。本研究ではこの知見に基づいて,酵素を用いた多価イオン物質の簡易・高感度分析法の構築を行った。実際に構築した分析法により,0.1ppmレベルの多価カチオン高感度定量分析ができること,また同原理に基づく1μeqMレベルのポリアニオン分析が可能であることが分かった。
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