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2019 年度 実績報告書

波長計制御型CRDS微量水分計を用いた高感度・高分解能スペクトル測定技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14507
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

橋口 幸治  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (00712506)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードキャビティリングダウン分光法 / 微量水分 / スペクトル解析 / 高感度 / 高分解能
研究実績の概要

研究代表者が独自に開発した「波長計制御型キャビティリングダウン分光法(CRDS)によるガス中微量水分計」を用いたスペクトル測定の高感度化・高分解能化に向けた研究を行った。共振器の共振周波数とプローブレーザーの周波数を1台の波長計を用いて同時に制御することを可能にした。それにより、フィネスの高い共振器(反射率の高いミラーを用いた共振器)を用いたリングダウン時間測定を長時間安定して行うことを可能とし、超高感度なスペクトル計測技術を確立することができた。さらに、共振器の共振周波数を任意に設定できるようにして、従来のCRDSによる測定では制限されていた高分解能なスペクトル測定を実現することができた。スペクトルの縦軸(吸収強度)、横軸(周波数)、ともに精度良く測定することができるようになり、解析に用いる関数について、および測定で得られる水の吸収断面積について、詳細な検証を可能にした。
平成31年度は、前年度までに開発した測定装置を用いて、微量水分標準ガスの測定を行った。測定を進める中で、光が照射されるミラーの位置によって反射率が僅かに変わり、それが原因でリングダウン時間の値が変動することを発見した。そこで、共振器の温度を制御してミラーの位置を安定させ、その変動を抑えられるようにした。これにより、測定の積算効率を上げることに成功した。また、装置の外側から微量に侵入する水分が、残留水分として測定に影響を与えることを発見し、残留水分への対策を行った。最終的に、検出感度6.3 pptを達成し、本研究の目標でもあった検出感度10 ppt以下を達成することができた。また、測定で得られた吸収スペクトルを詳細に解析することで、フィッティング関数の検証、及び水の吸収断面積の検証を行うことができた。得られた結果を論文にまとめ投稿し、掲載された。国際学会や国内学会での発表を通じて成果を公表することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Parts-per-trillion sensitivity for trace-moisture detection using wavelength-meter-controlled cavity ring-down spectroscopy2019

    • 著者名/発表者名
      Hashiguchi Koji、Lisak Daniel、Cygan Agata、Ciuryo Roman、Abe Hisashi
    • 雑誌名

      AIP Advances

      巻: 9 ページ: 125331

    • DOI

      10.1063/1.5127786

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 高精度微量水分測定に向けたCRDSにおけるデータ解析の検証2020

    • 著者名/発表者名
      橋口幸治、Lisak Daniel、Agata Cygan、阿部恒
    • 学会等名
      第67回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] WAVELENGTH-METER CONTROLLED CRDS SYSTEM FOR HIGH-SENSITIVE DETECTION OF TRACE MOISTURE2019

    • 著者名/発表者名
      橋口幸治、Lisak Daniel、Agata Cygan、Roman Ciuryo、阿部恒
    • 学会等名
      TEMPMEKO2019
    • 国際学会
  • [学会発表] HIGH-SENSITIVITY MEASUREMENT OF TRACE MOISTURE IN N2 USING WAVELENGTH-METER CONTROLLED CRDS SYSTEM2019

    • 著者名/発表者名
      橋口幸治、Lisak Daniel、Agata Cygan、Roman Ciuryo、阿部恒
    • 学会等名
      TEMPMEKO2019
    • 国際学会
  • [学会発表] 高感度微量水分測定に向けたスペクトル解析手法の検証2019

    • 著者名/発表者名
      橋口幸治、Lisak Daniel、Agata Cygan、阿部恒
    • 学会等名
      第80回 応用物理学会 秋季学術講演会
  • [図書] 分光研究 分光便利帳 波長計を用いた周波数測定における系統誤差2019

    • 著者名/発表者名
      橋口幸治
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      日本分光学会

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公開日: 2021-01-27  

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