タンパク質からなる生体触媒を用いた酸化還元酵素反応と電極反応の共役系は酵素電極反応と呼ばれる。本研究ではタングステン含有ギ酸脱水素酵素(FoDH)を用いた二酸化炭素とギ酸の相互変換反応に着目した。表面修飾した多孔質炭素電極とFoDHの間での直接電子移動反応が実現され、この電極は二酸化炭素とギ酸の相互変換を触媒するのみならず、FoDHの第2基質であるNAD+、NADHの相互変換反応を可逆に触媒することが確認された。 また、酸素還元反応を触媒する電極と組み合わせることで、開回路電圧1.2 V、最大出力12 mW cm-2の報告時で世界最高出力のギ酸燃料バイオ燃料電池が構築できた。
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