水中に低濃度で存在することから回収や分解が困難な界面活性剤を,基板上に静電吸着させることで濃縮させ,これを油滴が自発走行しながら回収していくことで,さらに効率的に濃縮できる。界面活性剤と天然有機物が混ざった複合廃液を生物処理すれば,易分解性の有機物が優先的に分解され難分解性である界面活性剤は残存することから,選択的に濃縮する手法が必要である。このシステムは溶質濃度の非平衡を利用するため,外力を全く必要としない省エネシステムであり,溶質の回収後は油滴ごと水相から分離するだけで良いため,非常に安価で簡便な手法である。
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