本研究では、長鎖アルキルアンモニウムカチオンの疎水性構造の利用により耐湿性を付与した有機無機ハイブリッドペロブスカイト太陽電池について、足場となる酸化チタン電子輸送層のナノ構造制御によって層状構造を有する二次元ペロブスカイト結晶の配向性制御に成功し、発電層の結晶配向性が外部への電荷移動および太陽電池の光電変換特性に大きく影響することを明らかにした。続いて、三次元系ペロブスカイトにおいて、正孔輸送層との界面に長鎖カチオンを導入した擬似二次元構造についても検討し、効率の向上に寄与することを示した。これらの結果はペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた特性の向上に重要な知見といえる。
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