研究課題
若手研究(B)
二種類の4分岐PEGとDNAのconjugateの合成し、それを水中で混合したところ、室温で素早くゲルを形成した。当該ゲルは、昇温・降温することで、繰り返しゾル・ゲル転移を示した。小角中性子散乱測定によってゲルの構造を調べたところ、ゲル化する前のものとほぼ同じ空間相関が得られ、極めて均一な構造が形成されていると言える。また、動的粘弾性測定の結果から、このゲルは非常に俊敏な温度応答性を示すことが明らかになった。
高分子物理、高分子溶液、ゲル、光・X線・中性子散乱
高分子ゲルはオムツの吸水剤に始め、再生医療でも用いられている重要な材料である。しかし、これらのゲルの構造は非常に不均一で、理論的に記述することや精密に設計することが困難であった。本研究は、DNAを用いることによって、非常に精密で均一な網目構造を構築することに成功した。その結果、理想的な粘弾性挙動も確認された。本ゲルをモデル物質として用いることで、高分子ゲルへの理解が進み、より高度で効率的な材料設計が可能となる。