研究課題
令和元年度は、可視光応答性光触媒である1)窒素ドープのLa2Ti2O7あるいはLaTiO2Nと2) (Zn1+xGe)(N2Ox)の形態制御に注力した。1) 窒素ドープLa2Ti2O7あるいはLaTiO2Nの形態制御は、前駆体層状ペロブスカイトLa2Ti2O7を窒化して得た。水熱合成時に添加物を導入することで従来よりも小さなLa2Ti2O7粒子が得られ、窒化により前駆体のナノ粒子形態が残存したナノ粒子状の窒素ドープLa2Ti2O7およびLaTiO2Nを得ることに成功した。得られた窒素ドープ酸化物および酸窒化物の光触媒NOx分解能を調査したところ、従来の合成法によって得られる物質よりも高い光触媒能を有することが分かった。高い比表面積によると考えられる。当初、様々な形態の層状ペロブスカイト酸化物を得て、形態を残存させながら窒化物へと転換する予定であったが、層状ペロブスカイトの層方向への成長が大きく、窒化物の結晶面制御には至らなかった。2)(Zn1+xGe)(N2Ox)の形態制御は、Zn2GeO4の形態制御により達成した。水熱合成法によりZn2GeO4ナノ粒子およびナノロッドを合成仕分けることに成功した。それぞれ窒化反応すると、(Zn1+xGe)(N2Ox)ナノ粒子およびナノチューブへと転換した。両者ともに、高い表面積を有することから、従来合成法で得られる物質よりも高い光触媒NOx能を有しており、ナノ粒子の方がよりその活性は高かった。ナノチューブの活性はナノ粒子よりも低いものの、窒化中のナノロッドからナノチューブへの転換は、窒化中に比表面積が向上する方向に形態が転換しており、今後の窒化物・酸窒化物のナノ構造体合成指針となりえる研究となった。
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Journal of Hazardous Materials
巻: in press ページ: in press
Nanoscale
巻: 11 ページ: 20151~20160
10.1039/C9NR05244E
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/yin/