研究課題/領域番号 |
17K14546
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
坂牛 健 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主任研究員 (50756484)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 窒化炭素構造体 / 電極過程 / 多電子・多プロトン移動反応 / 律速過程 / 高結晶化 |
研究実績の概要 |
本研究は、研究テーマとして「窒化炭素構造体を基盤とする新奇二次元物質を用いた高効率電極触媒の創製」を設定し、窒素と炭素原子のみで構成された構造体の新規な電極触媒としての特性を探索することを目的としている。窒化炭素構造体は、新しい層状化合物であり、その電子特性が注目されているが、その高結晶化がこれまでの課題となっていた。 上記の問題のため、本年度(H29)は窒化炭素構造体の高結晶化に関する問題を解決するための研究に注力した。この目的のために、まずは出発材料の高純度化と共に合成条件の精査を行った。結果として、高結晶化に必要な、実験方法を確立することができた。最適化された合成条件で得られた構造体を透過型電子顕微鏡で観察したところ、明瞭に層状の物質を見ることができた。層間はおよそ0.32 nmであった。また、X線回折法で得られたピークからも、これまでの合成手法よりも格段に結晶性が改善されていることが示された。 上記の成果に加え、合成した構造体はイオン交換を行うことによって、そのバンドギャップを制御できることが示された。即ち、単純なイオン交換を行うのみで構造体の電子特性を制御することが可能であることが示された。このことにより、基本骨格が同じ構造体でも、イオン交換により配位しているイオンを選択的に変えることにより、構造体の電子構造を調節できるため、それと強い相関があるとされる電極触媒としての特性も制御できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の基盤となる物質の合成手法が確立できたため。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度において合成された高結晶性の窒化炭素構造体の電子構造を様々に制御することで、電子構造と電極触媒としての特性の相関を明らかにし、高効率な非白金電極触媒の合成に繋げることを目指す。
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