研究課題/領域番号 |
17K14555
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
趙 旭 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (20650790)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ナノコイル / 低温プラズマ処理 / 残留応力 |
研究実績の概要 |
本研究は、低温での真空プラズマ処理による樹脂ナノファイバ(NF)の分解消失を利用し、網目状の犠牲型樹脂NFに被覆された金属膜の残留応力を解放させることにより、金属ナノコイル網が自発的に形成されるという斬新な透明金属ナノコイル網の創製技術を開発し、その応用を図ることが目的である。平成29年度は以下の実績を得た。 (Ⅰ)ナノコイル網の新規創製法の確立 熱損傷の受けやすい銀(Ag)に焦点を絞り、プラズマ処理による樹脂NFの分解消失および膜の残留応力の解放により、ナノコイルが自発的に形成されるという新規創製法を確立した。従来の樹脂NFの熱分解消失と異なり、樹脂がプラズマ中の活性化粒子により分解され、気化して放出される。プラズマ処理中の試験片温度が数十度と実測され、「低温・省エネルギー」にてナノコイルの創製を確認した。さらに、ガス雰囲気、処理時間、出力の諸プラズマ処理条件および膜厚がコイル形状に及ぼす影響を実験的に解明し、コイル形状の制御を実現した。なお、水晶振動子マイクロバランス法を利用して、種々の面積率を有するAgナノコイル網の単位面積あたりの質量を測定し、基本特性を把握した。 (Ⅱ)多種材質への適用化 上記の作製法を用いてPt、CuおよびNi多種材質への適用化を遂行した。材質の酸化特性およびガス種との反応特性に応じて最適なガス種を選択することがナノコイルの形成要因であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画のとおり、ナノコイル網の新規創製法の確立およびその多種材質への適用化を遂行したため
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今後の研究の推進方策 |
次年度は金属ナノコイル網の電気特性評価を実施し、そのフレキシブル透明フィルムヒータへの応用を展開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品は予定より長く使用出来たため、物品費は若干余った。これは次年度の物品費と合わせて透明フィルムの購入に使用する予定である。
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