研究課題/領域番号 |
17K14562
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小川 文男 立命館大学, 理工学部, 助教 (00424812)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 非鉛はんだ / クリープ / 疲労 / クリープ疲労 / ミニチュア試験 |
研究実績の概要 |
本研究では、非鉛はんだの非比例負荷における疲労試験、クリープ疲労試験を実施して多軸クリープ疲労特性を調べるとともに、これらに添加元素が及ぼす影響を明らかにする。平成30年度ははんだについて軸・ねじり試験を行うためのロードセルを作製した。アルミ合金をベースとして、はんだ試験片に1%の伸びが生じたときに、ロードセルのひずみが0.03%よりも小さくなるよう、そして感度が出来る限り高くなるように、荷重検知部の内径、外径を計算した。その結果、内径17mm、外径20mmとなった。平行部に2軸ひずみゲージを4枚貼り付けてブリッジを組むことで、ロードセルとした。このロードセルについて荷重検定を行い、負荷荷重と電圧の関係を調べた。次に、軸・ねじり試験を行うための伸び計を調整し、伸び計検定を行った。昇温の予備試験も行い、本試験を開始できる状況となった。現在、SACはんだについて疲労試験を行っているところである。平成30年度はさらに標点間の直径が3mmよりも小さい試験片について軸・ねじりの疲労試験、クリープ疲労試験を行うための試験機の基本構想の確立、設計を行った。当初は、軸荷重を負荷するためのアクチュエータにピエゾアクチューエータを用いる予定であったが、詳細検討を行った結果、ピエゾアクチュエータを軟金属であるはんだの試験に用いると全体の伸びと整合が取れなくなること(ドリフトがおきること)、ねじりに用いるステッピングモーターとの速度のバランスが悪くなることが問題となることが分かった。はんだの試験ではそれほど高ひずみ速度を必要としないため、軸荷重についても直動モータを用いることとした。ただし、引張、圧縮負荷の切り替え時にバックラッシュが生じるため、この影響をキャンセルするための機械的機構を提案した。平成31年度に試験機を完成し、実際に疲労試験、クリープ疲労試験を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非比例負荷の疲労試験、クリープ疲労試験についてはロードセル作製、荷重検定、伸び計検定を終え、試験をやっと開始したところであることから、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は非比例負荷(軸・ねじり)における疲労試験、クリープ疲労試験を実施する。ニッケル、ゲルマニウム、ビスマスの添加が疲労寿命、破損のメカニズムに及ぼす影響を明らかにする。さらに、クリープ疲労試験結果から材料の時間依存性が破損寿命に及ぼす影響を解明する予定である。最終的には、疲労寿命、クリープ疲労寿命を評価するためのモデルの開発を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
小型疲労試験機の開発のために予算を計上していたが、試験機に用いるアクチュエータの変更、バックラッシュを抑えるための機構の提案が必要となり、開発が遅れた。平成31年度はこの試験機を完成し、実際に疲労試験、クリープ疲労試験を行う予定である。
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