一定温度差(CT)および2段変動温度差(VT)での水中急冷CTSF試験をセラミック軸受球に対して実施した.その結果,CT-CTSF試験で得られた寿命分布は2母数ワイブル分布を適用して評価できたが,VT-CTSF試験で得られた寿命分布は特異性を示し,2母数ワイブル分布では評価できなかった.そこで,多段階の熱衝撃応力に曝された場合を仮定し,安定き裂成長則(SCG)則とワイブル分布と組合せて構築した確率論的モデルによって予測した結果,よく一致した.したがってVT-CTSF寿命分布の特異性は,変動する温度差が原因であることを理論的に明らかにした.
|