高ひずみ速度の繰返し負荷に対する耐久性評価とその診断技術の開発のための基礎研究として,ギガサイクルまでの疲労過程を金属組織の変化に着眼し明らかにすることを目的とした.パルス核破砕中性子源の標的構造材であるオーステナイト系ステンレス鋼に対して,超音波法によるギガサイクル疲労試験を実施し,疲労過程で生じる転位密度変化を中性子回折法により定量評価を実施した.繰返し負荷に伴う転位密度の変化は,硬さや残強度の変化と良く対応していた.さらに,溶接材のギガサイクルまでの疲労データの構築を実施すると共に,疲労強度に及ぼす溶接ビードの影響を評価した.
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