研究実績の概要 |
光ナノインプリントは最先端リソグラフィへの応用が検討されており、更なるプロセスの高速化や低欠陥化が求められている。ハイドロフルオロカーボン(HFC)系凝縮性ガスを導入するナノインプリント手法は、バブル欠陥の完全除去以外にも樹脂の高速充填やモールドの低離型力といった大きな利点がある一方で、ガスをナノインプリント用の樹脂が吸収してしまうのに起因したパターンの品質の低下が課題とされていた。そこで本研究では、これまでと飽和蒸気圧の異なるハイドロフルオロオレフィン(HFO)系の凝縮性ガスを導入する手法の検討を行い、ガスの吸収量の調査とパターン品質の評価を行った。HFO系凝縮性ガス吸収量の評価として、ガス置換したグローブボックス内でガスに暴露した24種類の溶剤の重量変化量を測定した。ガスはトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン[(CTFP) 飽和蒸気圧0.13MPa]とトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン[(TFP)飽和蒸気圧0.5MPa]を使用した。得られた重量変化量に対して、ハンセンの溶解度パラメータを用いて解析を行い、凝縮性ガスと溶剤の相溶性のデータを採集した。また、市販のアクリル系UV硬化樹脂液を用いて、CTFPとTFPの混合凝縮性ガスを導入する光ナノインプリントにおける、パターン品質の評価を行った。そして、ラインパターン幅16nmが良好にパターニング可能なTFP/CTFPの混合凝縮性ガスの比率条件を見出した。
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