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2018 年度 実施状況報告書

完全位相保存型の骨格線抽出法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K14580
研究機関明治大学

研究代表者

森口 昌樹  明治大学, 研究・知財戦略機構, 特任講師 (10525893)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード幾何形状処理 / 表面メッシュ / 骨格線 / 位相保存
研究実績の概要

昨年度に引き続き、特殊な位相的性質を持つ骨格線を抽出するアルゴリズムの開発およびプログラムの実装を行った。プログラムの一部にライセンス上の問題があったので、それに対応するために昨年度実装したサイクル縮約プログラムを依存ライブラリを減らしつつ再実装した。このプログラムは表面メッシュに対してホモトピーを保存する縮約を選択的に適用するが、単体的複体に対する縮約操作ではなく曲面上の埋め込みグラフに対する縮約操作を利用するという特徴を持つ。縮約操作により平行辺や自己ループを含む埋め込みグラフも現れるため、表面メッシュを三角形分割としてではなく擬三角形分割として処理する。(三角形分割と異なり、擬三角形分割では平行辺や自己ループが許され、縮退した辺や面が存在しうる。)表面メッシュに繰り返し縮約を適用する手法は、骨格線抽出法の一つだが、本研究では縮約操作において「交叉するサイクル対の縮約」を防ぐことで骨格線の位相を保存することに成功した。さらに、このときソリッドの位相情報にもとづいたサイクルの分類を利用することで、完全位相保存型を骨格線を抽出できる。より具体的には、ソリッドの位相情報とは「表面メッシュとその内部が囲う空間のホモロジー」のことである。この情報をボリューム分割することなく計算することが、本研究の目的の一つである。
ワイヤーフレームとは3次元空間内の線分の集合で、これは骨格線の一種とみることもできる。本年度は、ワイヤーフレームを特殊な立体の形状モデリングへ応用する研究も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アルゴリズムの開発はおおむね順調に進んでいたが、プログラムの実装において遅れが生じた。プログラムの一部に既存のものを使用していたが、ライセンス上不都合な点があることが判明し、規模の大きなプログラム再実装が必要になったためである。

今後の研究の推進方策

まず、①3次元空間に埋め込まれた曲面上でZ-ハンドルサイクルを判定するアルゴリズムを実装する。そして,②サイクル縮約法のプログラムと①のプログラムを融合させることで、骨格線抽出プログラムを完成させる。さらに,③複雑なメッシュに対しても数値実験ができるように、骨格線抽出プログラムの実用速度を改善する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)プログラムを再実装する必要が生じたため、数値実験を実施するスケジュールに大きく遅れが出た。それに合わせ、数値実験用の計算機の購入を延期した。
(使用計画)数値実験用の高性能な計算機を購入する。また、研究成果発表費用としても使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Reflexively-Fused Cylinders2018

    • 著者名/発表者名
      Sugihara Kokichi、Moriguchi Masaki
    • 雑誌名

      Symmetry

      巻: 10 ページ: 275:1~275:9

    • DOI

      10.3390/sym10070275

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 離散曲面の骨格線とその計算2018

    • 著者名/発表者名
      森口昌樹
    • 学会等名
      Interaction between Pure and Applied Mathematics 2018
    • 招待講演
  • [学会発表] 鏡映合成型の錯視立体2018

    • 著者名/発表者名
      森口昌樹
    • 学会等名
      数理工学センター (MCME) セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 視体積交差法と錯視立体2018

    • 著者名/発表者名
      森口昌樹
    • 学会等名
      MIMS研究集会「幾何的解析と形状表現の数理」
  • [学会発表] 視体積交差メッシュの接続性計算2018

    • 著者名/発表者名
      森口昌樹
    • 学会等名
      日本応用数理学会2018年度年会
  • [学会発表] 多義立体と視体積交差法2018

    • 著者名/発表者名
      森口昌樹
    • 学会等名
      第13回錯覚ワークショップ「錯覚現象のモデリングとその応用」

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公開日: 2019-12-27  

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