船舶の摩擦抵抗を低減する空気潤滑法は今まで一定ボイド率で制御しようとしたが,低減率が安定せず,長年にわたって技術の普及がなされていなかった.申請者は気泡による抵抗低減がボイド率に対する非線形現象であることを発見し,人工的にボイド率を変動させることで抵抗低減率を向上させる反復気泡注入法(RBI)を開発した.本研究では,ボイド波の特性とボイド波が乱流境界層に与える影響を調べ,高い抵抗低減率を得るために,どのようなボイド波を乱流境界層に与えるべきかについて考察した.乱流境界層で自然に発生するボイド波に合わせてRBIを行う際,ボイド波を長距離に維持でき,かつ高い抵抗低減率を得られることが確認された.
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