研究実績の概要 |
本年度はR1336mzz(E), R1123/R32 の測定を完了し,R1224yd(Z), R1123, R1336mzz(Z), R1336mzz(E) については学術論文としてその成果の公表を行った. R1123/R32は国際学会での発表にとどまったが、現在学術雑誌への投稿を準備中である。
一方分子シミュレーションでは、特に解析の精度向上に注力した。これまで使用してきたOPLS力場に加え、OPLS-AA/L やAmber General Force Fieldも新たに導入し比較を行った。また分子軌道法で求めた点電荷を導入した。量子化学計算により得られた分子表面電荷密度から、様々なプロトコルで各原子への点電荷割り当て、その値を用いて分子シミュレーションを実施したところ、気液飽和密度への影響は点電荷が最も大きく、相対的に10 %以上の変化があることを確認した。しかしながら点電荷は、密度と飽和圧力や表面張力の相関に対してはそれほど大きな影響をもたらすことはなく、同時にLenard-Jonesパラメータの調整が必要であることも分かり、文献値を参考に炭素と水素のパラメータを変化させ、密度とともに圧力と表面張力が一致するよう調整を行った。本年度は、エチレンと、その派生物質であるフロンR1132a,R1123,そしてRaabeらが詳細に提案する力場を利用したR1234yfの計算を完了した。しかしながら水素原子の多いエチレン、およびR1132aの結果に、より顕著な測定値との乖離が見られた。 シミュレーションの結果については国内学会での発表1件、和文学術雑誌への投稿1件を完了し、成果の公表に努めた。現在は、国際学会での発表を予定している。
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