日本の一次エネルギー源の多様化のため、膨大な洋上エネルギー資源を経済性のある形で開発することが必要になる。そこで本研究は、浮体式風力発電と波力発電の結合により係留や電力変換装置の共有でシステムの経済性の向上を図る。浮体式洋上風車に波力発電装置を取付け、波力発電・風車発電・浮体動揺低減を同時に考慮するシステム設計と制御アルゴリズム開発は本研究の目的とする。H30年度は研究計画に基づき、(1)水槽実験用の風車部分の製作;(2)低コスト波力発電装置の再設計及び数学モデルの構築;(3)水槽実験で風車と波力発電装置の相互影響の確認;(4)浮体動揺低減のためモデル予測制御アルゴリズムの開発。 (1)ではヘリコプター用のブレードと3Dプリンターを活かして、風車模型を試作した。実物ともっと近い模型を製作するため、ナセルの運動を考慮した風車ロータの速度制御器を開発した。 (2)では低コスト、水中可動部ない振動水柱型波力発電装置を設計した。ウェルタービンと安全バルブ(可制御式)を考慮した波力発電装置の数学モデルを構築した。 (3)では波力発電装置付けない浮体式風車と波力発電付き風車の波浪中の応答は水槽実験で確認した。波力発電装置の浮体運動への影響と量的に評価し、開発した数学モデルと比較し、モデルの有効性を確認した。 (4)では波力発電装置の可制御式安全バルブを浮体動揺低減のアクチュエータとして考え、モデル予測制御器を設計した。開発した数学モデルをもちいて制御器の有効性を確認した。
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