研究課題/領域番号 |
17K14623
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
早川 健 中央大学, 理工学部, 助教 (70759266)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 細胞操作 / マイクロ流体 / バイオ操作 / 微細操作 / オンチップ細胞操作 / 振動誘起流れ |
研究実績の概要 |
本研究では,マイクロ流体に特有な振動誘起流れの三次元的な観察と,その三次元細胞操作への応用を目的とする.平成29年度は,振動誘起の三次元流れを観察するための観察系構築と,縦方向の流れの観察を主に行った. (1)三次元流れを観察するために,通常の顕微鏡系に加えて,横方向から振動誘起流れを観察する系を構築した.マイクロ流体の縦方向,つまり顕微鏡の焦点深度方向の流れ観察するのは通常難しいが,長焦点レンズと拡散光照明を用いることにより,観察可能な系を構築することに成功した.また,液面のレンズ効果により観察像が歪んでしまう現象を避けるため,観察用のガラスチャンバーも作製した.構築した観察系を用いて,直径50~200 マイクロメートルのマイクロピラーと,その周りに10マイクロメートルの粒子を拡散させた際の像を撮影することに成功した. (2)構築した観察系を用いて,振動誘起流れを起こした際の流れを観察した.これにより,従来の顕微鏡で観察されていた回転流れに加えて,予想していた垂直方向の流れも生じていることが観察できた.また,ピラー上部で特に垂直方向の流れが強く起きていることも確認できた.さらに,これまでの理論的予測と異なり,ピラーの高さが流れに影響を与えている,という知見が実験結果から得られている. (3)流れの解析を行うための,流体解析ソフトウェアの構築を行った.画像処理ソフトウェアImageJをベースとしてソフトウェアを構築し,粒子の検出・位置計測を行うことに成功しており,この情報をもとに流速を求めることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,三次元観察を行うための系の構築を行い,縦方向の流れの観察に成功したため,おおむね順調であると言える.
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今後の研究の推進方策 |
特に大きな問題はないが,より鮮明な画像を得るための工学系の調整は必要である.また,流速分布を得られるようにソフトウェアの改良を行い,流れの詳細評価を行っていく.また,細胞培養環境を整え,実際の細胞を用いた三次元操作実験を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品等を購入する際に,軽微な残額が生じたため. 少額であるため,次年度に少額の消耗品等で使用する.
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