研究課題/領域番号 |
17K14628
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
岩本 憲泰 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (30778816)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 大変形柔軟梁 / 移動ロボット / モデル予測制御 |
研究実績の概要 |
H29年度の課題はモデル予測制御手法の構築と柔軟梁のための可変剛性機構の複製の二点を計画していた. 一つ目のモデル予測制御手法の構築では,モデル予測制御手法について調査を行い,シミュレーションの作成を進めた.不連続なシステムである摩擦を含む剛体部分と柔軟体である尻尾部分に分離したモデル予測制御則で本課題を解決できると考えた.この分離したモデル予測制御はDistributed Model Predictive Cotnrolとして確立されている.また,地面との接触を考慮した3次元的な運動をする移動ロボットのモデル予測制御は車両型ロボットでは未だ確立されていないことが分かった.一方でヒューマノイドロボットではモデル予測制御ではないものの,接触を考慮した移動計画や軌道のトラッキング制御を実現している.本年度はH30年度にて移動ロボットのモデル予測制御を他の手法で置き換えるため,ヒューマノイドロボットの制御手法について理解を深めた. 二つ目の柔軟梁のための可変剛性機構の複製では,研究の中で新たな柔軟梁の変形を妨げない機構が考案されたため,従来の機構の複製を中断し,新たな機構の開発に着手した.柔軟梁を中心として螺旋状にロック機構を配置することで,既存の機構で問題だった特異点を回避することができると考えられる.本機構を用いることで柔軟梁の形状の予測の方法が簡易となると予想され,H30年度の課題であった形状予測手法が非常に容易となると考えられる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H29年度の課題はモデル予測制御手法の構築と柔軟梁のための可変剛性機構の複製の二点を計画していた. 一つ目のモデル予測制御手法の構築では,モデル予測制御手法について調査を行い,シミュレーションの作成を進めた.不連続なシステムである摩擦を含む剛体部分と柔軟体である尻尾部分に分離した分散型モデル予測制御則で本課題を解決できると考えた.実際にはシミュレーション作成により,動的なモデルは複雑さで予測と最適化の両方が難しいことが判明した.またリアルタイム性は保証できておらず,柔軟梁モデルは現在剛性が一定となっている. 二つ目の柔軟梁のための可変剛性機構の複製では,研究の中で新たな柔軟梁の変形を妨げない機構が考案されたため,従来の機構の複製を中断し,新たな機構の開発に着手した.柔軟梁を中心として螺旋状にロック機構を配置することで,既存の機構で問題だった特異点を回避することができると考えられる.ただし,本機構の用途では機構の強度が問題として挙げられる.一方で本機構を用いることで柔軟梁の形状の予測が簡易となると予想され,H30年度の課題であった形状予測手法が非常に容易となると考えられる.
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は摩擦を含む剛体モデルと柔軟な梁のモデル予測制御部を確立させる.また,モデル予測制御のリアルタイム性を改善するシステムの構築を目指す.本研究室に新たに導入されたPCクラスタを活用し大規模な最適化を行うシステムを構築する. 新規に考案した柔軟梁の変形を妨げない機構は特許出願を行う.本機構を複製し,尻尾を構成する.また本研究室で所有するロボットアームと今年度購入する力センサを用いて剛性可変時の尻尾の挙動に関する実験を行う.
|