2018年度は、主に下記の研究を行ってきた。 1.空気圧駆動ソフトアクチュエータのチャンバーサイズと膜の厚みを変数として定義し、Abaqusを用いて有限要素モデルを構築した。さらに、Isightを用いて、逆有限要素最適化プラットフォームを構築した。このプラットフォームを利用して、ソフトアクチュエータ幾何構造の最適化を行った。最適化結果から、チャンバー膜の厚みとチャンバー間の隙間がアクチュエータのパフォーマンスに影響が大きいことが分かった。 2.上記のプラットフォームを用いて、4指ソフトグリッパの把持パフォーマンスを最適化した。特に、材料の影響をシミュレーションと実験テストで検討した。結果として、材料の柔らかさは変形しやすい対象物に対して有利ということが分かった。 3.把持対象物のサイズ変化に対応できるようにするため、剛性調整可能なソフトグリッパを試作した。小さい対象物を把持する際、アクチュエータの根元部半分を固くすることによって、摘まみ動作を実現することができた。 4.細断された食材を定量的にパッキングするため、包みグリッパを試作した。包みグリッパは横方向と縦方向の空気チャンバーが設置され、空気圧を印加すると、二方向に曲がり、球体近い形になり、細かい食材でも把持できるという特徴がある。把持重量は差し込む深さである程度制御でき、弁当製造自動化に役に立つと考えている。 5.柔らかくて重い対象物を把持する、また、農産物を収穫する際ねじりながら取る動作を実現するため、シェールグリッパを提案した。シェールグリッパは固い外皮を持ち、中に4つ空気チャンバーがある。空気圧を印加すると、チャンバーが膨らんで、対象物と接触する。固い外皮を有するため、低い空気圧で大きな把持力を発生させることができる。
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