水中放電、沿面放電等、液体が関与する放電プラズマの研究がなされ、水処理への応用もされているが、比較的に低い導電率を持った水道水やダムの水等での研究に限られている。最近では、パルスパワー生成水中放電プラズマの球状進展、バブルの生成、バブルの崩壊時の衝撃波生成等、放電プラズマの一生を本申請者が報告し、さらに、1mと長いパルスパワー生成沿面放電を生成し、進展先端では空気中放電であり、その後は水が蒸気となりその中の放電であることを見出すとともに、沿面放電進展過程、電子温度、プラズマ密度、回転温度、振動温度の時間変化を、明らかにした。 本申請では、産業界で要望の高いバラスト水(海水)の処理を目的とし、パルスパワーを用いた水中放電と誘電体バリア放電にて行った。国際海事機関(IMO)において船舶のバラスト水の規制がされており、腸球菌、大腸菌、コレラ菌、動物プランクトン、植物プランクトンの処理が対象となる。本研究では、腸球菌、大腸菌:k12株、コレラ菌:ビブリオ属、動物プランクトン:アルテミア、植物プランクトン:グリーンウォータを用いた 誘電体バリア放電の結果として、100 m^3/hのバラスト水処理のために、電極が1 m^2の時、0.5 J/pulseで約36000 ppsが必要であることが分かった。
|