研究課題/領域番号 |
17K14643
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
劉 佳 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00791922)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インバータ / 分散電源 / 仮想同期発電機 / 状態フィードバック制御 / 極配置 / 現代制御理論 |
研究実績の概要 |
本研究では,マイクログリッドにおけるインバータ形分散電源に,現代制御理論により改良した仮想同期発電機(VSG)制御を適用し,性能を向上させるための制御技術の確立を目的としている. インバータ形分散電源においてVSG制御を適用することにより,インバータに従来の同期発電機と同様に慣性を持たせることができ,電力系統の周波数安定化に寄与できるが,有効電力と周波数が振動しやすい課題があった.そこで,状態空間モデルを用いてVSG制御を解析し,極配置法を用いた状態フィードバック制御を適用することにより,振動性の低いVSG制御を提案いている. 平成29年度は,VSG制御の一機無限大母線系統について状態空間モデルを構築し,振動性を持つ極を調べた.それに基づき,極配置法を用いた状態フィードバック制御により,閉ループ極を振動性の低い位置に配置することを提案した. また,提案方法を検証するため,VSG1台の系統連系と自立運転の両モードおよびその切り替え時について,シミュレーション検証を行った.なお,VSG2台の並列運転について,シミュレーションで検証した上で,更に実機実験による検証も行った.いずれの場合も,提案制御の振動低減効果が確認でき,従来方法より優れていることを示した. これらの成果は,平成29年9月の電力技術・電力系統技術合同研究会において発表した.なお,平成30年5月の国際会議International Power Electronics Conference (IPEC-Niigata 2018 -ECCE Asia-)に投稿し,アクセプトされた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成29年度は,VSG制御の一機無限大母線系統について状態空間モデルを構築し,振動性を持つ極を調べた.それに基づき,極配置法を用いた状態フィードバック制御により,閉ループ極を振動性の低い位置に配置することを提案した. また,提案方法を検証するため,VSG1台の系統連系と自立運転の両モードおよびその切り替え時について,シミュレーション検証を行った.なお,VSG2台の並列運転について,シミュレーションで検証した上で,更に実機実験による検証も行った.いずれの場合も,提案制御の振動低減効果が確認でき,従来方法より優れていることを示した. 当初予定していた平成29年度の計画はモデルの構築,制御方法の提案とVSG1台のシミュレーション検証であったため,計画以上に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,提案した振動低減VSG制御について以下の項目の検討を行う予定である.
1)実機に実装された制御プログラムの改良,2)VSG1台の系統連系と自立運転の両モードおよびその切り替え時について実機検証,3)既に提案された主な振動低減方法との比較(理論解析と実機試験両方),など
以上のような項目を検討することによって,インバータ形分散電源に提案した極配置法を用いたVSG制御を適用することの優位性を示す予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度には,実機検証のためにインバータの制御ユニットであるデジタル制御システムを購入したが,実験システムを構築する際にいくつかの構成部品が実装されなくても本研究に支障をきたさないことがわかり,予定より安く購入できたため,次年度繰越金が発生した. 平成30年度は引き続き実機実験を行うため実験回路の消耗品の購入を予定している.また,研究成果を広く発表するため,論文投稿,国際会議への参加費と旅費に使用する予定である.
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