本研究では、新規なMEMS温度計を用いてフォノニック結晶(PnC)におけるフォノン輸送に関する研究を行った。MEMS梁の上に二次元PnCを作製し、梁の熱減衰を測定によって、梁構造の熱伝導の変化を計算した。PnCに穴の直径が約300 nmまで減少すると、熱伝導は顕著な低下を示し、フォノン効果が材料の熱伝導率を低減させたことを確認した。 更に、MEMS梁に時間制御した二重フェムト秒光パルスを照射し、2つの光パルス間の時間遅延の関数としてMEMS梁の温度上昇を測定した。梁にコヒーレントフォノン輸送による干渉パターンを観測した。フーリエ変換によって、MEMS梁を通してフォノンスペクトルの観測は成功した。
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