高速熱蒸着法によるBaSi2成膜において、基板界面近傍に酸素不純物が混入する現象を見出した。プロセスを改善し酸素を低減することで、n-BaSi2/p+-Siダイオードの整流性向上に成功した。また、薄膜を熱平衡に近づけることで組成ずれが減少しキャリア密度が低減することが分かった。これは、電気特性制御の指針となる。n-BaSi2/p+-Siダイオードは太陽電池として動作しなかったが、p-SnS/n-BaSi2接合による発電に成功した。さらに、高速熱蒸着法を超える成膜法として近接蒸着法を新たに開発し、大きな単一結晶方位ドメインをもつ高結晶性薄膜の作製に成功した。
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