研究課題
本研究では、非対称なボウタイ形状アンテナを持つ極微メサ構造を用いた高検出感度、広い動作周波数、速い応答速度のゼロバイアス・室温動作の新たなテラヘルツ電磁波検出デバイスの開発を目指して実施されたものである。昨年度に引き続き電子移動度の高いAlGaAs/GaAs系ヘテロ構造、並びに、InAs薄膜を用いて同構造を作製し、2乗検波に必要な非線形電流電圧特性の評価を行った。今年度は、ボウタイ形状の極微メサ構造において最も括れたネック部分、および、ボウタイアンテナの形状・寸法を変えてデバイスを試作し、それらが電流電圧特性の非線形性に与える影響を調べた。その結果として、電界強度がより強まる形状で電界集中による電子温度上昇に起因すると考えられる強い非線形電流電圧特性を得た。これら電流電圧特性から。検出感度を表す指標であるCurvature(γ)を算出した結果、作製したデバイスで得られたγは、InGaAs/InP系ヘテロ構造で実施された先行研究で報告されたγと同じオーダーが得られた。作製したデバイスを用いて実際にテラヘルツ電磁波を照射した検出実験まで今年度は実施できなかったが、これらの結果から、本研究で試作したデバイスにおいてもテラヘルツ電磁波の検出ができる可能性が高いと考えている。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
2020 45th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz)
巻: - ページ: -
10.1109/IRMMW-THz46771.2020.9371009
10.1109/IRMMW-THz46771.2020.9370373