本研究は、高感度、広い動作周波数、速い応答速度のゼロバイアス・室温動作のテラヘルツ波検出デバイスの開発を目指して実施されたものである。一般的な電子デバイスとは異なる原理を基にした非線形な電流電圧特性を有する非対称なボウタイ形状アンテナを持つ極微メサ構造に注目し、InAs薄膜にこれを作製し、2乗検波に必要な非線形電流電圧特性の評価を行った。その結果、電界強度がより強まる形状で電界集中による電子温度上昇に起因すると考えられる非線形電流電圧特性を得た。実際にテラヘルツ波を照射した検出実験までは実施できなかったが、試作したデバイスにおいて得られた非線形な電流電圧特性から検出が期待できると考えている。
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