研究課題/領域番号 |
17K14679
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宮北 和之 新潟大学, 学術情報基盤機構, 助教 (10588289)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 情報フローティング / エピデミック通信 / 行動変化 / 連携型 / 調整型 |
研究実績の概要 |
情報フローティングとは,端末間直接無線通信と端末の移動により情報の空間的拡散を行うエピデミック通信を更に発展させた技術であり,情報送信を行える場所を限定することによりその場所に情報が浮いているような状態を作り出し,そこに入ってくる不特定の移動体に情報を伝えるというものである.本研究では,情報フローティングにおいて情報を受け取った端末がその情報を見ることによって進路を変更するような状況を想定し,進路変更による移動体流を適切に制御しつつ効率的に情報を配信するための手法を開発することを目的とする.特に,複数種類の情報を拡散させる場合を考え,似たような目的の情報を連携させて配信を行う「連携型」,相反する目的の情報を互いに悪影響を及ぼさないように調整する「調整型」の手法の開発を目的とする.平成29年度は,以下のような成果を得た. (1)複数の情報を情報フローティングする場合に,異なる情報を受け取った端末群がその情報の種類に応じてどのように行動変化するのかのモデル化を行い,基本特性の評価を行った. (2)端末群の行動変化の結果として,どのような移動体流が形成されるかを推定する手法の開発を行った.丁字路,十字路,格子状道路網等いくつかの道路モデルを考え,行動変化後の各道路区間の交通量を推定するための理論式を導出し,評価を行った. (3)(2)の推定結果に適応するための情報フローティングの開発を開始した.十字路モデルおよび格子状道路モデルにおいて,行動変化により混雑が発生した道路区間を避けるための情報フローティング手法を開発し,評価を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の当初計画通りに,複数の情報の情報フローティングによる端末群の行動変化のモデル化,および,その結果として生じる移動体流の推定手法の開発を行うことができたため.また,この推定結果を元とした,混雑した道路区間を避けるための情報フローティング手法の開発を進めることができたため.
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度の当初計画通り,平成29年度に開発した情報フローティング手法の更なる開発を進める.より一般的な道路構造や,様々な種類の情報,異なる位置の情報源,情報の時間変化等を考え,それぞれの場合に最適な手法の開発を進める.
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費の支出が当初計画よりも少なくなったため次年度使用額が生ずることとなった. 次年度使用額については,主に旅費として使用し,連携型・調整型情報フローティングに関する情報収集や成果発表を行う.
|