【研究内容】床に直径300mm送電コイルを4x4敷き詰めて、その上150mmにある受電用コイル1台に無線送電するシステムをベースに無線秘密鍵生成共有システムを提案した。提案する無線秘密鍵生成共有システムが生成する秘密鍵の盗聴耐性を高める送電コイルに装荷する電源、負荷の最適制御について明確にした。具体的には、乱数で選択された送電コイル4つに対し、任意の位相で給電、それ以外のコイルを短絡することで、正規局と盗聴局と秘密鍵の相関係数が0.45以下にまで抑制できることを解析的に明らかにした。 【意義】磁界結合方式を用いる無線電力伝送システムにおいて、送電コイルに装荷される「電源・負荷の条件」を適切に制御することで得られる磁界のゆらぎから生成共有する秘密鍵は、実用に耐えうる安全性を有する可能性を示すことができた。 【重要性】無線電力伝送システムを活用した「磁界のゆら ぎ」という物理現象を、情報の暗号化への導入可能性を明らかにすることができた有意義な成果である。
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