研究課題
研究の目的は、自律分散的に動作する機器(ロボット)が自律分散的に通信を行い、高信頼に制御を実行することであり、そのために限られた情報を用いた分散アクセス制御法の確立、また制御則と通信との統合的な設計を行うことである。従来制御理論で検討されている多くが、通信制約(例えば、通信範囲制約や半二重通信制約、マルチユーザ干渉等)を考慮していないため、理想的に通信リンクを確立した議論がなされている。しかし、実際には通信は状況に応じた設計が重要であり、さらに制御を高信頼化するためには、従来の通信設計では十分とは言えない。また、2年目までに協調制御のためのSlotted-ALOHAプロトコルの改良などを提案してきた。3年目ではさらに通信ネットワークの高度化、具体的には、(1)CSMA-CAを基にしたアクセス方式、(2) リレー、マルチホップ通信を適用した場合のMAC層制御、(3) 制御則と無線マルチホップ通信との統合的な設計、に関する研究を行った。(1)時間変動するネットワークトポロジーに応じて、各制御端末がCSMA-CAプロトコルにおけるバックオフ時間の設計を自律的に設定することで、自律的に(準)最適なネットワークを構成させる。(2)コントローラ、制御機器間の通信をマルチホップ通信路に拡張してネットワークの設計だけでなく、そのネットワークの通信遅延を考慮した制御入力の設計手法に関して検討した。(3)マルチホップネットワークに基づく遠隔機器制御において、通信誤りを考慮したモデル予測制御手法を確率し、通信誤りに対してロバストな制御、通信同時最適化に関して検討した。
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IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E103.A ページ: 613-622
https://doi.org/10.1587/transfun.2019EAP1137